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W12エンジン

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先日から掲載しております、

Bentley Continental GT Convertible

W12型エンジンを搭載したラグジュアリーGTです。

初代コンチネンタルGTから続くマッシブで抑揚のあるボディが特徴で、

初代モデル発表後に話題を攫い、このクラスのベストセラーになりました。

 

2024年にデビューした現行のコンチネンタルGTでは

V8ハイブリッドのみになってしまいましたが、

W12は22年間、通算10万基以上生産され最も成功した12気筒エンジンとして

2024年4月に生産を完了しました。

その初代からこの3代目まで設定されていたW12型エンジンについて書こうと思います。

 

ベントレー社についてはW.O.ベントレーの事から書いてしまうと

膨大な量になってしまいますし、何よりもWAKUI MUSEUM様が

詳細なロールスロイスとベントレーの歴史について記載されていますので

そちらをご参照下さい。

 

WAKUI MUSEUM

“Rolls-Royce & Bentleyの歴史”

 

何章かに分かれていて、とても読みごたえがあります。

ベントレーボーイズを代表する魅力的な歴史が詰まっていますので、

是非御一読して頂ければと思います。

 

 

 

まずV12ではなく、なんでW?と思いますよね。

これは各所で書かれていますが、VWが持っていたVR6エンジンを2つ繋げたエンジンで、

V+V=VV(W)

という構造になっています。

当時のフェルディナンド・ピエヒ会長が日本の新幹線の中で思いついたお話は有名でしょうか。

もともとはVR6の3つ使った3バンクW18エンジンの構想でした。

V+V+V=VVV(VW)ですね。

しかも初期アイデアは新幹線で封筒に書いたこちらのもの。

右下にW18と書いてあります。

コンセプトではW18は作られましたが、構造が複雑すぎるという理由で

生産にあたってW12、W16と2バンクのみになりました。

 

時系列としては

この構想が1997年という噂で、

W12エンジンのコンセプトカーが1997年発表

ヴェイロンの発表が2000年

コンセプトカーのW12ナルドクーペ&W12エンジンが2001年公開

パサートW8が2001年発売

初代コンチネンタルGT W12が2003年発売

ヴェイロン16.4 W16が2005年発売

と、順々と拡大し搭載していっているのがわかります。

 

 

 

VR6はV-Reihen-6-Zylinder(V型直列6気筒)の略で、

狭角V6エンジンとしてVWの各車に搭載されていました。

車に搭載されているV型だと120度、90度、60度が一般的かなと思います。

V型には様々な角度があり、バイクのハーレーは45度だったり

フェラーリ テスタロッサは180度だったり…

とっても、とーーーーっても種類があり、

それぞれ特徴があるのでV型の種類や歴史にご興味あればWikiなどをご参照ください…

 

 

VWグループのVRエンジンはシリンダー角度15度と10.6度の2種類があり、

W12には15度が採用されています。

 

VR、W型はVR5、VR6、W8、W12、W16と派生がとても多く、

W16はブガッティが採用し、市販車初の1000馬力を達成しました。

W12エンジンは

・VW フェートン、トゥアレグ

・Audi A8/A8L

・Bentley コンチネンタルGT、フライングスパー、ベンテイガ

等に搭載されました。

 

2020年まで製造されたミュルザンヌは

ロールスロイス製6 3/4L(6750cc)のV8を搭載していましたが、

2010年以降のほとんどのベントレーの車種ではW12もしくは4000ccのV8を採用しています。

 

 

V型で直列ってどういうこと?とは思いますが

直列だと全長が長くなってしまうので、

シリンダーを千鳥格子状にジグザグに並べ全長を抑えています。

通常の直列4気筒のエンジンスペースにVR6が入ってしまうの位コンパクトサイズです。

通常のV型と違うのはシリンダーヘッドが1つということ。

簡単に言ってしまうとV型っぽい直列6気筒と思って頂ければ。

それを72度のバンク角で2つ組み合わせて開発したのがW12エンジン。

 

まぁもちろん言うほど単純では無く、吸排気パイプのレイアウトなど

通常のV12とは異なる可能性を探った、エンジニア達の技術の結晶の賜物。

 

W12の性能の特徴は低回転からのトルクだと思います。

他のV12エンジンだと3500rpm位からや6000rpm以上で最大トルクが発生しますが、

このW12エンジンは1350rpm~4500rpmで最大トルクを発揮します。

 

 

コンチネンタルGTシリーズは

ドライバーズGTとして優雅に、かつ官能的な味わいをみせてくれます。

 

 

2018年以降ではベントレーのみとなったW12エンジン。

2025年の排ガス規制によってW16含めW型エンジンは全て生産が完了し、

現在新車での購入は出来なくなっています。

歴史上、市販車用唯一と言っても良いW型エンジン達の紹介でした。


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